<学校に行かない子供たちが安心して街に出て行ける社会を実現したい>
社会を居場所にするプロジェクト

街は「居場所」であふれてる!

背景と目的

2023 年の文部科学省調査によれば、いわゆる不登校の児童生徒数は約30万人。5年前の2倍となり、増加の度合いも加速しています。

学校に行かない子供たちはどのような生活を送っているのでしょう?

彼らの多くは学校に行っていないことについて深層的な罪悪感を抱き、同級生が学校に行っている昼間の時間は外に出てはいけないと感じています。親や社会の目も、小中学生が昼間に学校以外の場所にいることを「不適切」だと捉える感は強いようです。

学校に行かない子供たちの急増を受け、彼らを受け入れるフリースクールなどの「居場所」は急増しています。文部科学省もその必要性を説き、公的な支援も始めました。それにより救われる子供たちがいることは大変好ましいことですが、私たちはこの「居場所づくり」の風潮に少しだけ疑問を感じています。


「居場所づくり」は、下手をすれば彼らを隔離することにつながらないか?


居場所と呼ばれる受け入れ施設や団体を増やすことは重要なことなのですが、一方で「不登校の子は、どこかのフリースクールや居場所に所属させることが大切だ」といった、手段と目的を勘違いした誤解や風潮を生み出してしまうのではないかと心配しています。

居場所づくりの本当の目的は、彼らが自立のために自分で選択した学びができる場所を確保することであり、地域社会自体を彼らの居場所となるよう啓発していくことが大切なのではないでしょうか。

図書館、博物館、カフェ、サークル、公民館、農場、スポーツジム等々、学校以外にも学びが可能な場はいくらでもあります。どれも「居場所」になるはず。

しかし、昼間の時間に学校と家庭以外の場所で過ごす子供には、冷ややかな視線が向けられるのが日本の現状。社会や大人たちの不登校への考え方をアップデートし、「昼間に子供が生活する場所は学校である」という古いステレオタイプを壊していかなければなりません。

私たちは、学校に行かない子供たちが自分の学びの場を選び、安心して過ごせる社会を実現しなければならないと考えています。

社会には彼らの学びのステージはいくらでもあります。我々が言う「学び」とは、学校で教える教科学習に限らず、個々が興味関心をもって取り組む全ての活動のこと。

読書をする、昆虫の観察をする、楽器の練習をする、将棋クラブに参加する、野菜を育てる、カフェで自学する、もの作りをする、起業を目指す、ジムでトレーニングをする、 全部「学び」。

一カ所に集めて何かを与えるという発想ではなく、社会の様々な人々や団体と混ざり合いながら自分に必要な学びにチャレンジできる、そんな環境を実現するのが私たちの願いです。

プロジェクトの概要

社会を居場所にするプロジェクトは、学校に行かない子供たちを分け隔てることなく、地域社会の様々な人々と混ざり合いながら学ぶことができる環境づくりを推進するため、ステッカーと缶バッジの普及により、その意義を周知し、理解と協力を求めようとするプロジェクト

私たちが、地域社会と「混ざり合う」イメージを京都のマドレー染の図案で表現したステッカーを作成します。

趣旨に賛同する企業、施設、グループ、クラブ等に配付して、学校に行かない子供が安心して学べる場所であることを宣誓するステッカーとして建物の入口などに貼り付けてもらいたいのです。

この活動をSNS等で周知するなどして、全国に広がるようキャンペーンを行いたいと思います。

ステッカーは、次の2種類があります。

 1  「ここにいてもいいよ」ステッカー
・学校に行かない子供が日中に過ごすことを温かく見守ることを宣言する団体用

 2  「一緒にやろうよ」ステッカー(仮称)
・学校に行かない子供たちを活動のメンバーとして受け入れることを宣言する団体用

  学校に行かない子供によっては、ステッカーの貼ってある場所で自分の学びをする際、その施設の人に自分のことをどう見られるかを気にする子もいるかもしれないことを考慮し、自分の立場を表明できる缶バッジを作成し、必要な場合は身につけられるようにします。例えば図書館で読書をしている際、この缶バッジを身につけておくことで気持ちが少し楽になる、といった効果をねらっています。

期待される効果

(1) 不登校への社会的認識の変革を図ります!
・日中に活動する不登校の子供への偏見を軽減し、少しずつ「このような学び方もあるんだ」「昼間子供が学校以外で過ごすことは悪いことではないんだ」という受け止めを社会全体へ広げる効果かを期待!

(2)  不登校を社会で受け入れ応援する機運を醸成します!
・不登校を隔離するのではなく、社会の一員として活動できる場を増やすことで、みなで応援していこうという気運を高める効果かを期待!

(3)  学校以外の場所で主体的に学ぶことができる環境を整備します!
・フリースクール等の他にも学ぶ場所はあるという考え方が広まり、不登校の子供たちが日中でも外に出て行こうという意欲が高まることかを期待!

(4)  不登校の子供たちの不安感や罪悪感を軽減します!
・学校に行っていない罪悪感、低い自己肯定感や不安感を軽減することかを期待!

(5)  不登校の子供をもつ家庭の経済的負担を軽減します!
・フリースクール等以外での支援の幅が広がり、お金をかけない不登校支援も可能であるという認識を広げることかを期待!